目に見えない、会社の「本質」を見る力

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会社というモノには形がありません。

社屋や店舗、工場、機械装置などが会社ではなく、会社とは、いうなればそこに集う人そのものであって、その集合体である組織であると言えます。

 

あなたは、この組織のもつポテンシャル、すなわち「組織力」を正しく把握していますか?

 

 

会社の本質は人の集合体ですから、そこには当然いろいろな価値観を持つ人が働いています。仕事が好きな人もいれば、仕事に興味がもてない人もいる。会社の雰囲気が好きな人もいれば、なんとなく肌が合わない人もいる。仲間や上司を信頼尊敬している人もいれば、仲間や上司とは関りたくないと思っている人もいる。燃えている人がいれば、冷めている人もいる。主体的に動く人もいれば、指示されなければ動かない人もいる。

 

いろいろな価値観による判断基準を持つ人が、同じ目的に向けて、仕事をしています。

そこに出てくるのは、やはり多少の温度差です。

しかし、温度差が組織内で大きくなってくると、本音でのコミュニケーションが出来ず、常に表面上のやり取りに終始しますので、本質的な業務改善や行動変革は起きなくなります。すると、決めたことを決めたとおりやらないことが常態化し、同じミスが何度も起こり、組織の成長は停滞してしまいます。

 

しかし、このような企業様のコンサルティングの現場に入り、常々感じることは、この温度差を克服し、チームワークという相互作用を活用して仕事をするようになると、一人ではできない大きな仕事をもなすことが出来るのもまた「組織の力」なのです。

 

ところが、この組織の力、「組織力」というものは目に見えないので厄介です。目に見えるのは、日々の業績という明確な数字になってから。目に見える業績だけでは、組織や会社というものの本当の実力は判断できません。表面的な情報だけでは、経営判断を誤る危険もあります。

 

では、「会社の本質」すなわち組織の本当の実力をどのように見るべきなのでしょうか。

 

私自身は、過去のコンサルティング現場経験から身についてきた一つの原則「目に見える結果は、目に見えない原因によってつくられる」という原理原則に照らして、自社を客観的に観ることをお薦めしています。

 

この原理原則を踏まえて「有形で目に見えるもの」を見ていきます。

初めて訪問する会社でも、実際に決算書を見る前に、社屋の外観、清掃の度合い、中に入った時の挨拶の対応・社員さんの表情、活気、壁の張り物、電話対応の声などで、業績がいいか悪いかはおおむね見当がつくもの。例えば、良くあるケースでは、観葉植物が枯れかかっている職場では、誰も周囲に無関心で、定期的に水をいつだれがやるなどといったルールも整備されていないずさんさが根本にあり、そんな些末なことは誰かやるだろう、という他人依存体質。また、社員さんに精神的な余裕が無かったりして、組織の協力体制が不十分、人間関係も表面的、などの傾向が洞察されます。社員さん数名と面談してみれば、その話し方、表情などからさらに明確に判断できます。

 

目に見える部分から、その会社の本質「組織力」を経験に照らして洞察しているのです。

 

実はそういう目に見える部分に何か問題が発見された場合、その原因は、目に見えないところにあります。それは、会社で働く人の価値観にあります。

 

 

目に見えない原因を見る

 

次に、この会社で働く人の価値観「無形で目に見えないもの」を見ていくのですが、この時に重要になることは「相手目線で考える」ということです。

非常に初歩的な話になってしまいますが、相手の立場に立って、会社全体や自分の部署や他の部署を見ていくこと、これが一番難しいようです。

しかし、相手目線に立って考えると気づくことがあります。それは相手の感情です。

「こう言えば、信頼されないのかな」「こう言えば、ストレスを与えてしまうのかな」といった、相手の気持ちを考えると、今までの自分や周囲の接し方にも問題があることに気づきます。

 

もし仮に、この接し方を変えてみれば、たちまちお互いの理解は進み、信頼関係が構築され、チームワークという相互作用につながる事が決して少なくありません。もちろん、一朝一夕には進みませんが、現場では、リーダーとメンバーとの「対話」によって組織力を高めていきます。

 

 

対話の基本は1:1です。ルールは、社員さんが主役。お互いの共通点を話して打ち解けていくことがベースです。「知って知られて好きになる」という言葉の通り、社員さんの意見を聞くことで、意外な発見があり、共感したりします。どんな人生を志向しているか、好きなことは何か、給料はどうか?尋問ではなく、相手をひたすら承認していくことを心掛けて接します。相手を知ることが目的です。これを社内で繰り返し行います。全員でなくとも良いです。気になる社員さんから、ある一定人数と行います。周囲には、あなたのその姿勢の変化を見て、姿勢を変えてくれる人もでてきます。

 

いくら正しいことを言っても、相手に対する日ごろの接し方や、配慮が足りなければ相手は正しく自分の意図を受け止めてくれるとは限りません。ここにコミュニケーションの不十分さによって発生するさまざまな「行き違い」や「ロス」が発生し、これが業績に多大な影響を及ぼす「原因」となっています。

 

こういった目に見えない原因に働きかけていくことを、根気強くリーダーが中心となり進めていくことで、目に見えない原因を変え、目に見える結果を変えていくことが出来ます。これが、組織力のポテンシャルを高めていく方法です。

 

人の気持ちは本当にはわかりませんが、その人の行動から、その人の感情・価値観を洞察していくことが重要です。これは、相手に関心を持って接することに外なりません。

「自分と違う立場の人間の気持ちを考える」組織文化を定着させていくことで、組織力を高めていくことは、今後の組織の差別化要因に成り得るものです。

 

モノで差別化しにくい時代、会社が伸びるも衰退するも会社で働く人の仕事や顧客に対する姿勢に左右されてしまうのですから。

2013年12月25日
trueteam