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コラム
【第6話】経営理念の浸透の前に、「職場環境」は大丈夫ですか?
2016.12.20
~「創業時の志を貫くとは、崖に爪を突き立てて、詰めがはがれてもなおずり落ちてなるかと、戦う」ようなものだ。~
ある尊敬する経営者様から頂いた言葉です。
その方も創業経営者。
相当な「崖」を、間違いなく上ってこられた方であり、不可能を可能にしてきた方。
この言葉から、事業に対する真剣さ、必死さを教わりました。
まだまだ、このような心境には至っていないと自戒させられることしきりでした。
自分の志を打ち立てたからには、今後の命の使い方を自分の意志で決めたということです。
結果がでなければ、すべて自分のせい。
しかし、「だからなんなのだ?それぐらいであきらめるのか?」と自分自身が試される時を乗り越えて、その先に志の実現があるのでしょう。
だからこそ、
自分自身の大切にしている価値観・理念は、誰が何と言おうと発信し続けることは、企業経営を続けるうえで大切なこと。
発信することを、自分の意志で始めた経営者が発信することを止めたら、世の中に、ましてや社内にだって浸透するはずがありません。
強く、強く、発信する。
それを、継続する。
強く発信すれば、するほど、この価値観・理念に合わないと思う人間は自ら会社を去ることもあるでしょう。
極論を言うと、「それで良い」と思う。
そもそも論ですが、
社員に合わせて自らの価値観・理念を曲げるような経営者に、誰がついていくものでしょうか。
誰でも不安になるのではないでしょうか。
だから、常に経営者は強く発信し続ければよいのです。
そのうえで辞めるなら、彼は、自分が乗るバスを間違えた。それが早めにわかってよかった。これでお互いに幸せに成るというものです。
しかし、多くの企業では、そのような理念の浸透状態にまで至っていません。
多くは発信が弱いか、継続して浸透させる「仕組み」がないか、のどちらかまたは両方です。
では、浸透させる「仕組み」について。
浸透させる「仕組み」の大前提には、前述の理念浸透レベル、価値観浸透レベルが一定以上でなければなりません。
つまり、「経営者の価値観に触れられるレベルの社員の価値観」
レベル、にしておくということであり、その底上げを行う必要があるのです。
特に仕事観や人生観といった根底にある価値観は重要です。
少なくとも、仕事の本質を「労働時間の対価」とみるか、「自分が提供した価値に対する感謝」とみるかでもその仕事観は大きく異なり、両者は接点を持ちにくい。
私が価値観に差があるな、と感じる会社では、経営者の使っている語彙と社員さんが日常使っている語彙が違うのです。
「理念」 「目的」 「お客様の為に」 「感謝」 「貢献」 「利益」・・・などといった、言葉を使っているのは経営者とごく一部の社員です。
この状態では、朝礼時に社長がどのように素晴らしい訓示や説話を述べても社員の心には浸透しないのは当然です。
仕事観や人生観は、多くのそれに触れ、自身の価値観水準を磨き上げることはできるのです。しかし、そのような自分磨きをする雰囲気があるかどうかが重要です。
雰囲気とは、社風と言い換えても良い。社員の価値観の集合体が即ち社風です。
この社風の改善に取り組む必要がまずは最重要となります。
次に、「仕組み」を構築していく。
社内で毎日理念に触れるような機会を創る。
意図を考えられるような時間を取る。クレドカードなどに見える化する・・・そういった「業務改善」やルール設定を進めるのと同時進行で「職場の環境整備」を常に進めることがポイントです。
休日が少ない、残業が多い、職場が汚い、給与が上がらない、設備が使いづらい・・・不満の原因となる要素をつぶしていき、社員さんの目がそちらに向く隙を与えてはならないのです。
こちらは直ちに役割を設定し、経営幹部を中心とした改善委員会・プロジェクトを立ち上げさせるべきでしょう。
少なくとも、このような「不満要素」を払拭し、初めて理念浸透ができる土壌も形成されますし、社員のやる気が云々言えるのだと、認識を新たにすべきでしょう。
今からできる、
職場環境の整備と社風の改善への取り組みと職場環境の整備は、「人が育つ環境」を創るうえでも欠かせない要素と認識しましょう。
貴方の職場環境に、「不満足要素」はいくつありますか?
その払拭に手を打っていますか?
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株式会社トゥルーチームコンサルティング
代表取締役/一般社団法人 自走式組織協会
代表理事
吉野 創(よしの はじめ)
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