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コラム
【第38話】何に対して「本気」ですか?
2019.08.17
先日、ある企業の幹部社員の方の
お悩みを聞く機会がありました。
「自分が部下の見本になるようにと、
一生懸命やっているんだけど、なかなか思うように部下が動いてくれないのです。」と言うお悩みでした。
・・・成長面でも、業績面でも。
このような悩みを持つ管理職の方は多いと思います。
経営者でもそうでしょう。
斯く言う私も、前職のコンサルティングファームで、
支社の責任者をやっていた時は本当に上手くいかず、
日々悩んでいました。
その時のことを思い出しながら、お答えしました。
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結局、人が見るのは「本気」だけ。
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多くの管理職やマネジメントの立場にある方。
皆、本気で頑張っていると思っている。
・・・確かに「仕事」に対しては本気で頑張っている。
しかし、「人」に対しては本気で頑張っていない。
つまり、経営ですから、
例えば業績数字とか、目標利益とか、
数字に対しては真剣に取り組む管理職の方は本当に多くて、
それはとても大切なことなのですが・・・
一方で、「人」=部下、のことをきちんと見ているかと言うと、
そこは大いに個人差があるのです。
つまり、
「相手の成長を本気で信じ、考えている」
という姿勢で、部下に接しているか。
自分のことに関しては、本気になるけど、
人のことに関して本気になることは、実はすごく難しいのです。
自分の評価や、業績数値のために、
自分の思い通りにはしたいとは考えているのだけれども、
その「人」=部下のことを本気で幸せにしようとか、
成長させよう、とか思っているかと言うと、
・・・これは中々難しい。
つまり、
目先の業績数字の成果のためにやっていることはあっても、
その人の人生を輝かせるために本気でやっている人は少ない。
特に、
「部下が、やめる・やめない」と言う状況になった時に、
その差が現れる。
例えば、部下が仕事で大きな失敗をして、
「この仕事は無理かもしれない」とか、
「自分のことがわからなくなりました」とか、
「私には合わないです」とか、
「もう、辞めます」とか、
・・・言いはじめる状態になることがある。
その時の対応で、差が出る。
「人」に本気でなければ、
理論的に正しそうな答えを出してくる
部下の話を聞いて、
頭で考え、「管理者としての」模範的な解を得ようとする。
・・・その心は、
「部下が辞めたら、自分の評価にも影響がある」、
と考えるからである。
さらには、
管理者の中には部下を待遇・条件で
「コントロール」しようとする人もいる。
自分の「評価」と「業績」には本気だからである。
でも、「人」に本気であれば、
部下が不安になろうが、
理論的には正しく見える、「言い訳」をしてこようが、
絶対に受け付けない。
部下が自己正当化して、
目の前の問題から逃げようとする時に、
管理者が、動じてはダメなのである。
管理者が、
この部下=「人」は、
今は失敗しようが、大変なことがあろうが、
この問題を乗り越えて、成長し、
やがて最高の仕事をして、
自分の理想を実現して、
輝くのだと。
・・・そのように信じてそばにいるだけでも、
部下の姿勢は大きく変化してくる。
管理者がそんな存在になるか否か。
人にとっての幸せの一つは、
「自分を信じ切ってくれる人との出会い」だ
と言う言葉があります。
これが管理者、つまり、
人を育てる人の、重要な役割なのです。
あなたの会社には、
「人」に本気な管理者が何人いますか?
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株式会社トゥルーチームコンサルティング
代表取締役/一般社団法人 自走式組織協会
代表理事
吉野 創(よしの はじめ)
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