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【第52話】仕事と職場を楽しいものにするには

2020.10.06

私は、社員の皆さんと、

面談をすることがあります。

その時に、よく話題にするのは

「仕事が楽しいですか?」ということ。

あなたは、この率直な問いに対して、

どのように反応しますか?

あなたの職場では、この問いに対して、

「はい、楽しいです!」と即答できる人は、

どのくらいいると感じますか?

・・・それは、常日頃から、

仕事をどのように捉えているかで大きく変わります。

「仕事」というものをどのように捉えているか、

そのような価値観を「仕事観」と呼んでいますが・・・、

この「仕事観」について、

普段からどのくらい考えているかです。

その状態で、この問いに対する答えは変化します。

仕事について考えることは、

実は、当たり前すぎて

職場で掘り下げて議論されることがありません。

「仕事は、生活のためだし、

お給料をもらうために仕事をしている」

それ以上でも、それ以下でもない。

・・・ということが当たり前だという

認識を多くの方が持っているからです。

この当たり前を疑う、ということを

多くの人はしないままに「仕事観」にしています。

「親や先輩がそうだったから」

「職場の上司がそうだったから」

そして、あまりにも当たり前だからと、

会社・職場では暗黙の了解のように

掘り下げて話題にすることもありません。

だから、「仕事が楽しいですか?」と問われた時、

戸惑ってしまいます。

「仕事が楽しいかどうか?そんなこと、考えたこともないよ」

と、怪訝な表情を浮かべて・・・

「仕事ですから、やらなければいけないですもんね」

とか

「楽しくはないですけど、まあ頑張ってますよ」などと、

理論理屈で考えて、

当たり障りのない答えを返してくれたりします。

この「仕事が楽しいですか?」

この問いに対する反応で、

おおよその仕事観、

その組織の社風を認識することができます。

「仕事が楽しい」と

感じている人が多いほど、

仕事において、気持ちが外に向かい、

貢献意欲が高い状態になっていますから、

社風は前向き、積極的、自発的になります。

すると、社内でもチームワークが機能して、

生産性も自然と良くなる可能性が高まります。

一方で、

「仕事が楽しくない」と

感じている人が多いほど、

気持ちが自分に向かい、

自己保身の気持ちが強く働いてしまい、

満たされないと、

不満が高まり、周りのせいにする意識が高まります。

すると、社内でもチームワークが機能せず、

生産性も低くなる可能性が高まります。

その、きっかけは様々ですが・・・

組織が目指しているものが不明確だったり、

数字ばかりを追いかけていたりすると

仕事や職場は楽しいものから離れていきます。

  • その組織が目指すものを明確にする

例えば、どんな会社の状態にしたいか

というビジョンを明確に描いていないと

大抵、自分を守ることや

自分の利益が目指すものになってしまいますから、

自己保身に気持ちが向かっていくことになります。

そうなると・・・

仕事で起きる様々なことが気になる。

自分の利益を守ろうとして、

些事が気になり疲れてしまいます。

ところが、組織のビジョンを描き、

そこに対して共感し、皆の認識が高い状態にすると、

協力体制が機能するようになり、

関係ないものにエネルギーを使うことが減ってくるので、

達成感も出てきますし、一体感や連帯感も醸成され

仕事もそうですが、職場がとても楽しくなる。

さらに、皆と一緒に目標に向かっている時間が楽しいし、

何かを共につくっているという感覚が楽しくなる。

このように感じることで、

仕事や職場に笑顔が増えて、

幸せ感を感じる時間が多くなるのです。

  • 他責から、自責に姿勢を変えてみる

大切な観点は、

「(誰かに)仕事や職場を楽しくしてほしい」のか、

「(自分が)仕事や職場を楽しくする」のか。

このどちらの姿勢がベースにあるかという点。

例えば、

「仕事なんて、楽しくないし、大変なことばかり」

「楽しくしたいっていうなら、社長が変わるべきだ」

「上司が変わるべきだ、周囲の誰かが変わるべきだ」

「お客様が変わるべきだ」

・・・などと、

「(自分以外の誰かに)仕事を楽しいものにしてほしい」

という姿勢だと、なかなか仕事は楽しくはならないでしょう。

なぜかというと、

原因を自分以外の他責にしているからです。

自分以外の誰かが思い通りに動いてくれるなんて、

そんな虫のいいことは現実には起きませんから、

さらに不平不満は溜まっていく一方です。

でも、結構これ、自分でも気づかないうちに、

他人のせいにしてしまっている人って結構多いのです。

他責の考え方が、習慣になっているんですね。

まず、それに気づくことが大切です。

  • 不満要素は、改善のヒント

・・・ちなみに、

「楽しくないです」という人がいたら、

どんな所で、そのように感じるのか?

事実を掘り下げてヒアリングして、

現状把握をすることにしています。

多くの場合、そういうところに

組織の成長課題の芽があります。

例えば、

「上司も、会社も、口だけで仕事を楽しくしようなんて考えていない」

「口ではいいこと言っていても、結局会社は社員を働かせて成り立っている」

・・・というような、本音が出てくることもあります。

本音が出てくるということは、

「仕事観」を改めて自分でしっかり考えようと、

自分の心の少し深い部分に

自分でスポットを当てている、ということなので

歓迎すべきで、まずはしっかりと、

ありのままを受け止めるべきこと。

「正しい・正しくない」、との判断は置いておいて、

しっかりと聞き、現状把握をすることにしています。

そういう、「共感」の姿勢から

関係の質が変化していきます。

  • まず自分が職場環境を作る

それでは日々の改善のアクションですが、

例えばどんなものがあるかというと、

ヒアリングからの課題を

業務改善に反映させることも大切ですが、

「小さな変化を起こす」ことをすぐに始めます。

例えば、

感謝を言葉にして伝えるとか、

困難なことでも、前向きに取り組むとか、

1日15分は、仲間の手伝いをする、とか。

全員が、そうはならないかもしれませんが

何か小さなことからでもいいのです。

自分自身が意識して、

「仕事や職場を楽しくする」ことはできると思います。

自分自身が意識して、

仕事や職場を楽しいものにしていこうと

小さな変化を起こすことを楽しむ。

小さな行動に取り組むことを楽しむ。

こういうことを継続してみる、という方法があります。

しかも、「楽しく」というところが大切です。

やがて、周囲が、そんなあなたを見ていて・・・

「楽しそう!」「この人みたいになりたい!」

などと思える状態になると、

周囲を動かし、もっと良い職場環境をつくる流れができる。

すると、さらに仕事や職場が

楽しいものになるのだと思います。

「自分がまず、言っていることをやってみる」

という姿勢はとても大切です。

社員さんは実にシビアに、

上司や経営陣の背中を見ているもの。

「自分に言われたことを、いった本人はやっているのか?」

ということを見ています。

人を育てようとすると、

つい相手を変えることに意識が向くものですが、

実は、人材育成の大きな問題点は、

「相手を変えようとしていることが根底にある」ことなのです。

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株式会社トゥルーチームコンサルティング
代表取締役/一般社団法人 自走式組織協会 
代表理事
吉野 創(よしの はじめ)
http://true-team.com/
Eメール:info@true-team.com
住所:東京都新宿区西新宿7-2-5 TH西新宿ビル6階
TEL:03-6869-4522
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