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コラム
【第24話】なぜ、成長することが大切か?
2018.06.20
先日、ある管理職の立場にある読者の方から
メールで相談を受けました。
部下との対話の中で、
「なぜ、成長の目標設定する必要があるのですか?
仕事は普通にやっていますし、数字も悪くないはずです。
手間が増えることはやりたくないのですが・・・」
ということを言われ、
その社員の言葉にうまく答えられなかったそうです。
・・・皆さんが、上司の立場なら
どう答えますか?
そもそも、
成長の目標を設定する意義とは何か?
この本質を認識することなく、
「目標設定した」という形を作るだけだと、
確かに作成や確認の「手間」が増え、煩わしくなる。
このまま放置すると、
本心から取り組まない社員が増え、
それは社内に伝播していく。
仕組み自体が形骸化している会社に
よく見られるケースです。
この本質の問いに上司もですが、
経営者が答えられないと、
会社で実践している成長目標の設定や、
人事評価や目標管理の取り組みは
ほぼ形骸化してしまいます。
・・・では、どうするか。
私は、
「成長せずに、現状維持を選択することは、衰退を意味する」
からだ、と理解しています。
経営は、
坂道を、社員や部下を引き連れ、
登っていくようなイメージです。
そのイメージを表現すると、こんな感じです。
※よく、読者から
「なぜ、この写真なの?」と聞かれるのですが、
これでその意味するところがお分かりかと思います。
最初、
登る力が弱い社員は自分が登ることで精一杯でしょう。
それを先輩上司が支えてくれているのです。
しかし、成長するにつれ
力をつけて、自分一人で登れるようになる。
さらに、成長すると、
自分も誰かを支えられるようになる・・・
自立したエンジンをもつ、
社員が多いほうが推進力は強くなる。
そうやって、会社組織チームは、
経営という上り坂を登って行くのだと思います。
成長とは、平たく言えば、
「坂道を登る力」を強くしよう
ということ。
「あなたは、入社した時に
先輩からこのように支えてもらった恩を、
成長することで周りに返していってほしい。」
そのように伝えて欲しいですね。
では、次に
「なぜ、成長の目標設定が必要なのか。」
いつまでに、どのレベルになるかを決めている人と、
決めていない人では、
成長に向けた行動習慣の
取り組み姿勢に確実に差が出ます。
そして、一人で成長できる一部の人材を除き、
普通の人は、サポートを受けて成長できるものです。
部下は、
「どのレベルを目指しているのか?」
「いつまでにクリアしたいのか?」
そして、なぜ「成長したいのか?」
周囲も、
本人の目標が明確に見える化していなければ、
的確に成長をサポートすることが難しいのは
容易に理解できるでしょう。
そして、成長のもう一つの理由は、
「現状維持は衰退につながる」という意味。
競合となる他社は、
全社をあげて成長の努力をしている。
それなのに、自社の社員は
「成長したし、数字もあげている。
これぐらいでいいだろう」という意識でいる。
客観的に見て、この状態では
数ヶ月後、どうなっているか想像できるのでは?
こんな仕事観の社員が増えてきたとしたら・・・
・・・きっとその会社は衰退を始めています。
社員は、
成長した、と思うかもしれませんが、
ライバルも同じように成長していたとしたら?
今は、数字をあげていても、
来月、来年も同じように数字が取れているか?
その保証などどこにもない。
常に、上には上がいるものです。
「仕事で成果を出し続ける。」
このことと、
常に成長していくことは、
原因と結果の関係であり、
すべての社員に共通の責任です。
社会人として働く人すべての必要条件とも言えます。
もし、働く人が成長せず、
同じような仕事を続けているとしたら
市場の変化に対応できず、
会社は成長どころか存続も危うくなってしまう。
しかし、
この大切な「成長」に対する取り組みが、
個人任せになっている会社がいかに多いことか・・・。
いつまでに、どのレベルになり、
どのようなことができるようになってほしい。
新人の時は、このようなことがあったとしても、
入社3年以上になると、成長は個人のペースに任せてしまっている
・・・これは非常に危ういことなのです。
社内で様々に行われる、
成長のための仕組みづくり。
それが正しく機能し、個人が成長した結果、
チームや組織の生産性が向上し、
結果として経営数字、
決算書の数字が良くなるという結果につながる。
業績の変動の原因となるのは
目に見えない社員の成長の集積です。
ここを会社の業績目標や未来ビジョンから
ブレイクダウンして成長目標を設定していないのであれば、
人材育成、組織成長の計画を根底から見直すべきです。
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株式会社トゥルーチームコンサルティング
代表取締役/一般社団法人 自走式組織協会
代表理事
吉野 創(よしの はじめ)
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