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「幸せな社員」が生産性を1.3倍に変える科学的理由

2026.11.03

「経営で一番大切なことは、儲けることですか? それとも、働く人の幸せですか?」——

もしこう聞かれたら、あなたは即答できますか?

多くの経営者様がこの問いに一瞬言葉を詰まらせます。
それは、利益と社員の幸せを「二者択一」のものだと、どこかで思い込んでいるからかもしれません。

■「利益が目的」という経営の”当たり前”を疑う

多くの経営者様は、「経営の目的は利益を上げること」だと教わり、それを疑わずにここまで来られたのではないでしょうか。
もちろん、利益がなければ会社は存続できません。
それ自体は正しい前提です。

しかし、利益だけを追いかけた組織では、社員に「やらされ感」が生まれやすくなります。

  • 仕事は「こなすもの」になり、最低限のことしかやらなくなる
  • 工夫や改善が生まれず、仕事のクオリティが落ちていく
  • クオリティの低下が顧客離れを招き、結果として売上が下がる

「利益を上げるために社員に頑張ってもらう」というつもりが、いつの間にか組織を疲弊させ、かえって利益から遠ざかっていく——

この悪循環に陥っている組織を、私はこれまで数多く見てきました。

「利益優先」の経営がいつの間にか組織を疲弊させてしまう。

この落とし穴に、多くの経営者様は気づいていません。

■ある一冊の本との出会いが、経営の考え方を変えた

私自身、かつて経営コンサルティングファームに勤めていた頃、書店である一冊の本と出会いました。
その帯に書かれていたのが、まさに冒頭の問いです。

「企業経営で一番大切なことは、儲けることですか? 働く人の幸せですか?」

当時の私は、日々クライアント企業の業績改善に奔走していました。
利益を出すこと、数字を伸ばすことが正義だと信じて疑わなかった時期です。
だからこそ、その帯の問いは私の価値観を真正面から揺さぶりました。

その一文を見た瞬間、私は迷わず「働く人の幸せだ」と直感しました。
そして矢も盾もたまらず、その本の著者である、慶應義塾大学大学院の前野隆司教授のとある講演に会いに行ったのです。

すると前野教授から、「慶應大学の講義に学びに来ませんか?」というお声がけをいただき、私は前野教授のもとで「現代幸福論」の講義を受けることになります。
この出会いが、後の自走式組織®の考え方の土台になっていきました。

■科学が証明した「幸せ」と「生産性1.3倍」の関係

前野教授のもとで学んだのは、「幸福感」と「パフォーマンス」には明確な相関があるという事実です。
ハーバード・ビジネス・レビュー(2012年5月号)に掲載された研究によれば、幸せに働く人は、そうでない人と比べて次のような差が出ることが分かっています。

  • 創造性が約3倍高い
  • 生産性が31%(約1.3倍)高い
  • 売上が約4割(37%)高い

これは決して、精神論や気の持ちようの話ではありません。
幸福学という学問として、認知心理学や脳神経科学、統計学などの知見を組み合わせて導き出された結果です。
「なんとなく良さそう」ではなく、「数字として裏付けられている」という点が、この考え方の強さだと私は感じています。

つまり、「社員を幸せにすること」は、単なる福利厚生や気配りの話ではなく、業績に直結する経営戦略そのものなのです。

前野教授の幸福学では、人が幸せを感じるために必要な要素として、次の4つの因子が知られています。

  • 「やってみよう」因子:自己実現や成長を実感できていること
  • 「ありがとう」因子:周囲とのつながりや感謝を感じられていること
  • 「なんとかなる」因子:前向きで楽観的でいられること
  • 「ありのままに」因子:他人と比較せず、自分らしくいられること

これらは、まさに自走式組織®が組織の中に育もうとしている状態と重なります。

社員が「やってみよう」と思える環境、感謝し合える関係性、失敗を恐れず挑戦できる空気——
これらが揃った組織は、結果として生産性も創造性も高くなるのです。

実際、こうした考え方は一部の理論にとどまりません。
多くの上場企業のトップも、「社員の幸せ」を経営の目的として掲げ始めています。

「幸せ経営」は、もはや特別な会社だけの話ではなくなってきているのです。

■まとめ:儲けは、幸せに働く先についてくる

「利益か、社員の幸せか」——

この二択で考えている限り、組織はどこかで無理をきたします。
本当は、社員が幸せに働くからこそ、質の高い仕事が生まれ、顧客に選ばれ、結果として利益がついてくるのです。

私が前野教授のもとで学んだのは、まさにこの順序でした。

利益を追いかけて幸せを後回しにするのではなく、幸せを土台にすることで、利益は自然とついてくる。

この考え方は、当時の私にとって大きなパラダイムシフトであり、以来、自走式組織®づくりの根幹に据えている視点でもあります。

社員一人ひとりが「やってみよう」と思える環境をどうつくるか。
感謝し合える関係性を、仕組みとしてどう根づかせるか。

これは精神論では実現できません。
だからこそ、私たちは「仕組み」として組織に落とし込む支援を行っています。

私は、これまで300社以上の組織支援を通じて得た知見と洞察をもって、社員が幸せに働き、業績も伸びる組織づくりを伴走支援してまいります。

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株式会社トゥルーチームコンサルティング
代表取締役/一般社団法人 自走式組織協会 
代表理事
吉野 創(よしの はじめ)
http://true-team.com/
Eメール:info@true-team.com
住所:東京都新宿区西新宿7-2-5 TH西新宿ビル6階
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