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コラム
【第74話】「自分理念」を発見する取り組みとは
2022.10.01
こんにちは。
自走式組織(R)プロデューサーの吉野です。
前回は、
企業における、
マネジメント側の仕事観
(仕事の考え方や姿勢)が、
社員の「自発性」に影響を与えている、
ということをお話ししてきました。
今回は、
その自発性を高めるポイントである
「自分理念」の発見についてお話しします。
ここで言う「自分理念」とは、
企業理念の個人版、とイメージしてください。
そこには、
自分自身が大切にしている価値観、
そして、生き方、目指しているものが
明文化されています。
つまり、考え方や姿勢、価値観が、
「文字で、明確に表現」されています。
この、明文化のプロセスで
人生の中での仕事、という視点で深く捉えて、
仕事を単なる「給料のための仕事」という視点から
脱却していくのだと思います。
今、このような自分理念を
明確にして仕事に向かう人が
どれほどいると思いますか?
多くの企業では、自分理念を考えたり、
明文化するような機会はほとんどありません。
多くの人が、仕事とは、
「給料のためにやらなければならないもの」
と考えていますから、
自発的に取り組みにくいものに
なってしまっているのです。
いやいや取り組む、やらされ感でやる、
といった姿勢では、
創造性や、生産性は高まらないでしょう。
だからこそ、これからの企業成長を考えるならば、
そのような環境では難しい。
環境を変えるのは、経営側の努力です。
では、どう変えるか?です。
例えば事例でお話ししますと、
ある企業では、
自分理念を作る勉強会を月1回、
1~2年かけて、実施しています。
もちろん、経営者や幹部が率先垂範して、
見本を示していきます。
個人個人が、仕事観から見直します。
自分自身が、「何のために働くのか」です。
発想するためには、さまざまな視点がありますが、
有名な、「3人の石切職人」の話に例えると、
「何のために、毎日石切作業をしているのか?」
という問いに・・・
1・お金のため
2・自分の技能を磨いていくため
3・町づくりのため(子供と子孫の繁栄のため)
自分はどの考えに近いか?
改めて、日々の業務に置き換えて、
「誰のため?何のため?」を考えていく、
という方法があります。
そのほかにも、
・亡くなった時、誰に何と言われたいですか?
・仕事、家庭で、誰にどんなことを言われていますか?
・死ぬまでにやりたい30のこと
・私の夢
・・・などなど、
こういった問いを毎回、考えていきます。
パッと、問に答えると浅いものになりやすい。
少し時間をとって、
深く掘り下げていくようにします。
自分の中で、突き詰めて考えて文字にしていきます。
これが、
自分の価値観を明文化する取り組みです。
徐々に、そうやって
「自分理念」の骨子を明文化していきます。
ただし、予め言っておきますと、
一朝一夕には、自分が本当に大切にしていくべき
「自分理念」など、できるわけがありませんから、
作って完成、ではなくて、
いつも考えて、意識して、実践に置き換えていくようにします。
この自分理念を、行動に置き換えると
何をすることが良いのか。
つまり、仕事で体現するとは
どういう行動をすることか?
と実践しながら「自分理念」をさらに修正したり、
追記したりして、
継続して取り組むことが大切です。
個人が成長したり、周囲と相互支援を通じて、
その自分理念を体現する方針を考えていきます。
その方針は、個人の「成長目標」の根拠となります。
成長目標は、
定性的なものと定量的なものを
両方考えていくと良いでしょう。
すると、その成長目標が、
会社の業績目標と重なります。
「重なる」、それが「自分事になる」
ということなのです。
つまり、
自分の理念を実現することと、
業績目標をクリアすることが、
一本の軸につながると、
自分自身の中で、
仕事は「自発的に取り組む」ものになっていきます。
あとは、目標へのアクションプランと
その継続の仕組みづくりです。
そのための場として、
ある企業では、月曜の朝礼を1時間かけて
自分理念と成長目標について、
アクションプランを明確にする、とか、
チームメンバーから
前向きなフィードバックを受ける、とか
そういう環境を作ってやっていますね。
ただし、前向きなフィードバックを得るには、
メンバー自身の「仕事観」と、
メンバー相互の「関係の質」が
高いレベルにあることが必要です。
そのためには、ある程度、
日頃から大切にしていく価値観を共有したり、
個人的な情報を共有しておく、
といった取り組みも必要になるでしょう。
特に共有しておくと良いもの。
・・・それは、その人の背景です。
その人が
「どんな人生を歩んできて、今ここにいるのか」とか、
家庭にあっては、こんな事情がある、
こんな悩みがある、といったその人個人の背景です。
・・・例えば、
相互の「関係の質」が高い企業では、
社員のお子さんが、病気になったら、
メンバーが、親身になって話を聞いていく、とか、
丁寧に支援するべく、仕事をカバーしてあげる、とか。
その人の人生ごと、支え合うような
自発的な動きが起きたりします。
このような、
「関係の質」が高い水準にある職場とは、
Googleの言う
「心理的安全性」が高い、とも言い換えられます。
・・・この続きはまた次回に。
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株式会社トゥルーチームコンサルティング
代表取締役/一般社団法人 自走式組織協会
代表理事
吉野 創(よしの はじめ)
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