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コラム
【第12話】意図をもって「成長」に取り組む人財が企業を救う
2017.06.24
ご支援先の社員さんとは、年度の節目に面談をすることがあります。
その時に確認するポイントは、以下のようなもの。
1・この期間の自分は成長したと思うか
2・それは自分が目標設定し意図した成長か、結果としての成長か
3・その成長は自己評価として目標設定通りで満足か
4・周囲の評価はどうか
これは、成長する「人財」を前提とした質問なのですが、
これらの質問への反応は様々ですが、明確に答えられず、しばらく考えている様子の社員さんが何名か見られます。
「いや〜、どうですかね〜」というふうに考え、振り返る、ということは、普段そんなに意識していないということです。これでは、自分が目標設定した成長目標に対して意図した成長など望めないでしょう。
結果として成長したとしても、そこに再現性はないのです。
それでは、部下を持つ役割になった時に人を育てられないのです。
ですので、
ここでは3・の「成長の目標に対する進捗」が重要ではありません。
人によっても時期によっても、伸びる時期もあればそうでない時期もあります。でも、社会人としてはせめて半年前と比べて成長はしておきたいし、その成長の中には自分でこうなりたいと決めた項目が含まれているべきです。「一定期間が経過し、なにがしか成長した」とは単に「経験値を積みました」と言っていることと変わりません。
やはり、重要なのは、2・の 自分で「目標設定し、意図して」成長したかどうか。
「意図して」日々取り組んでいるかどうか。その結果があらわれるものだと考えています。
新人や、若い時は、覚えることもたくさんあって必死でそれに取り組んでいたら、いろいろと成長していた、ということも多いでしょう。しかし、一定の社会人経験・仕事でのキャリアを積み、管理業務、マネジメントに関わるようになってくると結果的に成長した、しなかった、という答えだけでは不十分です。
自分で目標を考え、意図して、日々の行動を選択・実行し目指す成長に到達できるというのは大事なスキルであり、経験です。
成長に自信が持てない方の特徴は、
・成長の目標はあったけれど、その為に具体的に何にどのように取り組めばそれが実現するかのプロセスが不十分。
・実行プロセスを作っていたが、「継続した取り組み」として実践できていない。
しかし、逆を言えば、意図した成長を実現している人はそういうことを忙しい中でもやれている人。
ここでは、「忙しくて取り組めない」という言い訳を無くす為にも「タイムマネジメント」や「仕事の仕組み化」といった要素も必要になりますが、最初に具体的行動をイメージする時点で、いかにその為に時間を確保するかを考えることが重要です。
それができて、初めて再現性のある成長実現への正しい「実行プロセス」と考えるべきでしょう。
多くのケースでは、ここが抜けてしまいます。
社員の目標設定は、単に「こうなりたい」という願望だけになっていませんか?
その実現のための戦略とともに、「実行プロセス」が明確か、そして実行がなされているか? 節目ごとに確認の機会を設けましょう。
そこまでできる人材は、次の成長段階へと育成します。
それは、「意図をもって、他を育成することができるか?」という段階です。
20代前半の若手と話をしていると、「向上心」を持つ人が多いと昨今感じるようになりました。しかし、「何の為に成長したいのか」「いつまでに、どのくらい成長したいのか」「その為に具体的に何が必要で、今は何をやっているのか」という目的・目標とその意図を明確に持つ人はそれほど多くはありません。
しかし、これはむしろ会社側、育成側に責任があると感じます。
このような向上心のある若手をチームでいかに育てているか?という観点で見たとき、上司や先輩という立場の人たちが、正しい目標設定と再現性のある実行プロセスを指導し、自分たちの経験を元に良いアドバイスを送り、サポートしてあげることで成長後押しをしてあげられれば、組織全体のレベルの底上げ、そして成長にも繋がっていくはずです。
そのような意図をもって、他を育成する人財が組織の中に何人いるか・・・持続的な成長を意図した時、ここが最終的な壁となるのです。
あなたの組織では、
「自ら目標設定し、意図して自分を成長させられる」社員、そして「意図して他を成長させることができる」社員がどれだけ育っていますか?
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株式会社トゥルーチームコンサルティング
代表取締役/一般社団法人 自走式組織協会
代表理事
吉野 創(よしの はじめ)
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