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コラム
【第66話】自走式組織(R)にする経営側の努力とは
2021.12.25
こんにちは。
自走式組織(R)プロデューサーの吉野です。
今回も引き続き、
「経営の目的」の変化についての話です。
つまり「働く人の幸せを追求する経営」です。
これを「新機軸」の経営と呼んでいますが、
では、この「新機軸」の経営を、
どのように経営の目的として打ち出していくか?
そのお話をしていきます。
キーとなるのは、働く人の意識です。
意識というと抽象的すぎるので、
ここでは、社員の仕事に対する意識に限定します。
働く人の、仕事に対する姿勢、考え方。
これを「仕事観」と呼んでいます。
つまり、社員は何のために働くのか、
もっと言うと、なんのために生きるのか、
を考えることが必要です。
前回書いたように、それは、
「同じ仕事するなら幸福感を感じながら働きたい」
という価値観です。
仲間や顧客との関わりや、仕事を通じて得られる、
やりがいであったり、
達成感や、充実感、
成長の実感、といったもの。
そういった幸福感を感じながら働き、
結果として顧客の感謝とともに、売上が上がり、
会社からの賃金として
自分と家族の豊かさにもつながる。
・・・このような日々の循環から、
人生をより良くしたい、という仕事観でしたね。
しかしながら、多くの企業で、
経営側は、ここを短絡的に
「給料、生活のために社員は働くものだろう」と
早とちりしがちです。
確かに、そう思っている人も多いのですが・・・
今まで書いてきたように、
その目的も社員側でも変化しているのです。
その価値観とマッチさせていくために、
経営側でも、社員側でも、
新機軸の仕事観に「共感」していく
努力が必要になります。
まず、経営側の努力として必要なことは
「伝える」こと。
経営目的を「新機軸」の視点から
明確に伝えましょう。
例えば、定例の全体会議などで、
「働く人の幸せを追求する」と明確に発信することです。
ところが、多くの経営者は、
「売上目標が達成・未達成〜」
「環境変化に対応しよう〜」
「厳しい中で頑張ろう〜」
といった発信が中心となっている
ケースが多いのです。
明確に、意図的に、
「幸せ」「幸福」を追求する、
という言葉を発しましょう。
働く人の幸せについて、
経営者が思いを込めて語る姿に
社員は共感していきます。
徐々に、
「経営者は、本気で、そのような会社にしようとしている。
とても共感する。・・・自分もそのために変化しよう」
というアクションが期待できます。
・・・期待できます、というのは、
そのように自発的に理解して、
自発的にアクションを変える人は
まだまだ少ない現実があるからです。
それほど、多くの企業では、
社員の方でも、「旧機軸」の経営が
当たり前となっているケースが多い、
ということなんです。
会社経営の目的は(旧機軸が浸透していて、)
「会社の売上利益」だと理解すると、
1・では、利益を高めて給料をあげよう、
・・・と考える社員か?
それとも、
2・私の目的は会社の利益とは別にあるから、
仕事はそこそこにして、給料を確保しよう
・・・と考える社員か。
会社の社員の仕事観としては、
実際にはどちらが多いのか、です。
経営側としてはおそらく、1の社員が
多くなってほしいと思いますよね。
・・・でも、実際には、
このように自発的に考え、自発的にアクションを起こし、
周囲にも影響を与える社員さんは
どのくらいるか、です。
もちろん、企業ごとに差はありますが、
多くの企業を見てきた私の実感としては、
まだまだ2のタイプが大勢を占める、といった
企業が多いのも事実です。
でも、同時にこれが
飴と鞭(給料や人事権)だけでは、
人は動かない、という理由なんです。
これでは、いくら、経営側が
「働く人の幸せを目的にする」、といったって、
働き手の仕事観が
「自分の給料、自分の損得」が目的では
やはりマッチしませんよね。
なので、経営側が発信するだけでは
人も組織も、大きくは動かない。
経営や会社側に依存して、自分の姿勢は棚にあげ、
要求ばかりしてくる働き手が増えても
やはり企業の経営や生産性は良くなりません。
その状態が長く続くと、
やる気のある人も、諦め感が募る・・・ということにも
なっていきます。
・・・このことから、
社員側にも努力が必要になってくる、
ということが明らかです。
では、・・・その続きはまた次回に。
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株式会社トゥルーチームコンサルティング
代表取締役/一般社団法人 自走式組織協会
代表理事
吉野 創(よしの はじめ)
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