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コラム
【第2話】組織の本質にあるもの 
2016.08.20
こんにちは。
「組織を意図した方向に動かすこと」
このことに、悩んでいない経営者様(管理者も)はいないのではないかと思うくらい、
思うようにならないのが組織というものです。
経営者がどんなに業績に危機感を持っていても、
組織を構成する社員は危機感を持っている「ふり」だけしているのでは?
と感じるケースも中にはあります。
経営者と同じように、
社員も危機感や希望といった感情をもち組織全体が一丸となるために
必要なことは何なのか?
掘り下げていきましょう。
「組織」と、「集団」は違います。
何が違うかというと、組織には、「共通の目的・目標」が存在するものです。
さらに、組織には「共通の理念(大切にしている価値)」が存在し、
それが経営目的のベースとなっています。
組織とは、大きくまとめると
「目的に向かって、理念を大切な判断軸とし、相互に協力しながら実現するために進んでいくもの」
ということが言えます。
「組織は、目的や理念が動かしている」状態になっているかが一つのポイントと言えるでしょう。
しかし、現実にはその状態にすることが多くの企業では大変なのです。
そこで、さらに掘り下げると・・・
その、目的に「ストーリー」はあるのか?
・・・ここを考えてみましょう。
その設定背景には何があるのか?
なぜ、この目的、この理念を我が社は掲げるに至ったのだろうか
・・・こういった、
一段階掘り下げた目に見えない部分を良く見てみると、
その「本質」が見えてくるもの。
組織は、このストーリーに経営者自身が惚れ、
幹部が惚れ、社員が惚れて、動いているともいえる。
しかし、本当にそれが本質だろうか?
だとすると、人を惚れさせるストーリーを描けない企業は本物の組織を作れないのだろうか?
我が社には、歴史も、正統性も、華々しい未来も描けない・・・
組織は何で動いているのか?
さらに掘り下げると、そのまた本質が見えてくる。
それは・・・
「経営者の社員に対する愛情」。
広い世間から中を見ると、ストーリーがわからなくても、
組織の中にいると感じるものがある。
それが、経営者の愛情。
こう感じる出来事があった。
ある会社で迎えた、創業以来の大ピンチ。
在るシステムの不備が要因だった。
多くの得意先との取引がペンディングとなり、
売上が一気に半減。
そのさなか、経営者は自ら先頭に立ち、
顧客を一軒一軒訪問した。その姿勢は、多くの社員の胸を打った。
社員の販売をバックアップし、じり貧にならないように、
かねてから進めてきた、新事業のための設備投資も、敢行した。
普通なら、売上が激減する中、
設備投資を先延ばしにする判断もあったろう。
しかし、断行した。
・・・社員は、勇気づけられた。
賞与も、出せなかった。
事情は、社員も良くわかっていた。
経営者は、住宅ローンなど個人的な事情のある社員の相談には、
経営者個人の資金をもって対応した。
社員もこのような経営者の姿勢や、思いに触れ、
感じたのは、果たしてストーリーだけではないはずだ。
経営者は、
「このような状況下で、賞与もない中で、辞めずに頑張ってくれる社員に感謝の念が湧いてくる。
本当にありがたいことだ」と振り返っていた。
その根底にあったのは、やはり「経営者の愛情」。
社員の愛情があるがゆえに、
社員の生活の基盤であるお給料をうみだすこの会社の事業をつぶすわけにはいかない。
だから、命がけになるのだ。
その思いが、表情や行動に表れる。
大企業では、
経営者の顔など普段見るものではないでしょう。
しかし、中小企業の経営者の顔は、社員から良く見えるものです。
その顔は、どのように映っているか?
その顔から、幹部社員が経営者の思いをくみ取る。
「苦しいときでも、歯をくいしばっているな。」表情に、姿勢が表れる。
さらにその幹部社員を、会社の管理職以下一般社員は見ている。
振り返ると、この会社の経営者は、
「ピンチはチャンス!」と常に発言し、励まし、
経営が厳しいときも頑張ってくれている社員への慈愛に満ちた、
良い表情を社員に見せていたように思います。
組織のアクセルを入れるも、ブレーキをかけるも、社長の姿勢一つだと学んだ。
それが伝播し、社員の思考の習慣を決め、
思考の習慣が行動の習慣を形成する。
行動の習慣は結果、業績に直接つながる。
この習慣の集合体を「社風」と呼びます。
組織の社風は、社長の愛情というべきもの。
・・・即ち会社や社員や仕事に対する、姿勢・思いが形成する。
組織の本質は、このようなところにあるという一つの事例です。
貴方は、社内でどんな表情を見せていますか?
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株式会社トゥルーチームコンサルティング
代表取締役/一般社団法人 自走式組織協会
代表理事
吉野 創(よしの はじめ)
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