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コラム
【第3話】「人が育つ環境」を創る
2016.09.20
こんにちは。
今回は職場において「人が育つ環境」とは?
ということをお話します。
しかし、まずその前に・・・
「社員を教育するのは、何のためなのか。」
ここに対する答えを貴方は明確にしているでしょうか?
・・・ここを熟考せず、
ただ外部の教育に出してみたところで、
期待した効果は得られていないのではないかと
多くの企業様の経営相談内容から感じます。
果たして、その原因はどこにあるのでしょうか?
思うに、
それはほんのちょっとした教育の「認識のずれ」に在る、
と感じます。
それは、
社員を教育するのは
「外部に出した勉強会や研修の場」ではない、
という認識です。
「社員を教育する、その場所は本質的には社内に在る」、
という認識を持てているかどうか、ということ・・・
ここがずれていると、教育投資の仕方を間違えてしまいます。
社員を教育する主体は、
経営者自身とそれを支える経営幹部です。
組織でいえば、上位20%の層。
30人の組織なら、社長(後継者)以外にあと3~4人。
彼らは、組織のビジョンを構築し、
マネジメントの仕組みを修正、再構築し、
彼らの発想において、
「人が成長する環境」を創ることが求められる層です。
その20%の層の姿勢や情熱に感化され、
その他大勢の60%の階層における意識の高いメンバーが動きだす。
彼らは、上に引っ張られ、即ち「成長」するのです。
その、成長に向かう教育をするのは社内でのことなのです。
・・・しかし、ここがずれている企業が多いと感じています。
そのような企業では、どのような問題を抱えているか?
例えば、事業承継を控えたA社のケースでは、
組織の上位20%がビジョンと危機感、現常認識において結束している状態になく、
また、その中にも後継者と相いれない分子が混ざっていると、
後々禍根を残す可能性もあり、対立を生んでいる。
こんなケースでは、往々にして、後継者の教育に目が行ってしまう。
「おまえが成長しないと、だめだ」とばかりに外部の教育に出してしまう。
この場合、引き継がせる側=現経営者は、
その不安の芽を摘むとともに、後継者を中心として次世代の組織の幹部候補メンバーに、
自分のDNAを引き継がせ、人を育てる意識を持たせる
という役割を最後に果たさねばならないのですが・・・。
つい、後継者の未熟さに目が行ってしまう、
といった傾向になりがち。
しかし、後継者の育成に、
一体何年かかるのでしょうか?
個人の資質もあり・・・難しい問題だと、思いませんか?
そこに着眼するのではなく、
上位20%の経営幹部層に目を向け、そこを集中的に育成するのです。
彼らが、後継者を支えられる組織を主体となり形成していきます。
その為の成長を目的とした教育を実施することで、「人が育つ環境」に変えていくのです。
その、育成にかかる時間軸を考えたうえで計画的な取り組み、
基盤づくりをいつ始めるかを決断しなければならないのですが、
その戦略が明確ではありません。
・・・これは即ち組織の「目的」を決めていないということです。
いつまでも引き継げない状態こそリスクである、
ということを良く考える必要があるといえるでしょう。
教育というと、「個人のスキルアップ」といった概念にとらえられがち。
しかし、「教育投資」は個人に必ずしも焦点を絞らないことです。
要は組織を成長させる上位20%の人材を作ればよい、
という考えに切り替えることが大切です。
私は、社内において、その組織を成長させる人たちを「人材育成チーム」と呼んでいます。
(チーム、と言っても2名~数名とまちまちですが・・・)
社内において、この「人材育成チーム」の人選・候補者の選定が大切です。
その多くは「経営幹部」や「管理者」ですが、
果たして彼らは今、上位20%に入っているだろうか?
もし、NOであるならば、まずはその対策を打ちましょう。
社内の人の心を彼ら「人材育成チーム」が動かす・・・この状態をいかに作るのかがポイントです。
彼らの社内での姿勢や取組内容を見て、
そのフォロワーが背中を見て、行動を変えていく。
この状態において、
「社内が教育の本質的な場である」という意義がわかると思います。
背中を見て、行動を変えることの連鎖です。
単発ではありません。継続です。
社内における日々の関り方や行動の習慣の中に、
社員が成長していくヒントはあります。
教育をしても、短期的には売上など業績成果は上がらないでしょう。
しかし、ここで個人の状態を見て、一喜一憂、ということに終始して、
単発的な判断をしては教育投資は単なる「経費」になり、一過性で終わります。
しかし長期的に観れば、大きな利益を生み出す・・・これが「教育投資」です。
そこには、組織戦略の観点が必要になります。
教育は、「長期的視点にたった会社組織全体の戦略」として取り組んでこそ、
成果がでるものなのです。
個人のスキルアップ、といった考え方の教育投資が一過性になりやすいのは、
こういった理由からなのです。
社内に「人が育つ環境」をつくる・・・
あなたの組織では、どんなアクションを起こしますか?
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株式会社トゥルーチームコンサルティング
代表取締役/一般社団法人 自走式組織協会
代表理事
吉野 創(よしの はじめ)
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