【第22話】顧客満足の追求と社内エゴは紙一重

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顧客満足を高めること。

 

その大切さを社員に語ったことがない、

という社長はいないと思う。

 

一方で、社員も顧客満足の大切さはよく認識していますし、

それを高めるために努力していることも事実。

 

 

しかし、

顧客満足の捉え方に、個人ごとのズレがある場合,

 

それが大きな問題に発展してしまうことがある。

 

 

 

社内での会話、やり取りから、

その問題が露見することがある。

 

 

 

先日、経営相談に見えられた

製造業の社長のお話から、書いていくことにする。

 

 

 

営業部と製造部の担当者同士で、

このようなやり取りがあったとのこと。

 

 

営業部では、

常に競合先との厳しい競争にさらされている。

そのために、納品する製品の品質はもとより、

その製造体制全てにおいて、ミスがあってはならない。

 

それは、競合に付け入るスキを与えてしまうからだ。

それほどに、競争は激しい。

 

 

しかし、自社の製造部門のミスは、なかなかなくならない・・・。

ここに営業部が頭を悩ませている背景があった。

 

 

一方で、

 

製造部においても

ミスを根絶するために、あらゆる努力・工夫は常に行っている。

 

ラインや物の配置を工夫したり、チェック体勢を工夫したり、

作業のやり方を徹底する教育をしたり。

 

 

本当に、血の滲むような努力をしている。

 

しかし、なかなか根絶されない。

 

 

その時、

製造部の現場からこんな声が上がる。

 

「作業の内容が複雑すぎて、集中力が続きません」

 

 

聞けば、

営業部から毎日のように

作業変更の指示、イレギュラー対応依頼がFAXで来るという。

 

 

要は、イレギュラー対応が多すぎるのだ。

その対応に追われ、製造ラインの担当者は

 

集中して作業精度を高めることに限界を感じていた、

ということなのだ。

 

 

・・・しかし、

「顧客満足」を高めるため、

「できません」とは言えない、と

なんとか無理して、対応をしていた。

 

そんな中で、ミスが発生していた。

 

 

どうやら、営業部自身が

その原因を作っているということが要因としてあったのだ。

 

 

しかし、

これを改善するには、

この会社においての「顧客満足」の定義を

示し、各自に浸透させていかねばならない。

 

 

「顧客満足」の本当の目的、

我々が提供する価値とは何なのか。

 

・・・ここを具体化し、ベクトルを揃えなければならない。

 

 

その上で、部門を超えた

真の協力体勢が、初めて実現できると考える。

 

 

 

この企業の場合、

 

製造業務のミス、

その要因である作業煩雑化を防ぐためにはどうするか。

 

 

一顧客に対する、営業の対応が、

作業煩雑化につながっていることが要因。

 

その根底には、

営業マンの仕事に対する考え方、価値の認識にずれがある。

顧客の言うことを全て実現するために社内に無理を強いていたのだ。

 

 

もっとも、そのプロセスで、

社内の業務改善が進み、イノベーションが起きうる、

といった可能性も否定はしない。

 

しかし、それも限度がある。

 

 

営業マンは、

自分の業績を追求するあまり、

 

顧客の要望を(そのまま)受け入れ、

売上を維持または増加させることに

 

意識が向きすぎている可能性がある。

 

 

顧客の要望を受けない=関係を切られる、

売上が減る・不安定になる

 

という考えに陥っているのだ。

 

 

顧客のその要望が、

完全に無理であるかどうかの線引きはとても難しい。

 

製造部門でもそうだろう。

無理すればできることかもしれない。

 

 

しかし、それが目に見えない「社員の集中力の限界」を超え、

逆にミスを発生させる要因になるとは、

 

 

製造の現場の苦悩を知らない営業マンには

なかなか想像できないことなのだろう。

 

 

営業マンにしてみれば、

やはりこちらも、血の滲むような努力をして獲得した

顧客先であれば、

 

 

関係を切られたくないし、

無理なことでも対応して、

ファンにしたい、という真剣な思いがあることもよくわかる。

 

 

しかし、

自分の顧客先だけを最適化できたらそれでいいのか?

 

ここで、「価値」を物差しにして判断できるか、できないかが

求められているのだ。

 

 

仕事の目的は何か?

会社の利益か?顧客の利益か?

それは一体何か?

 

 

この顧客対応は、

本当に利益につながるのか?

 

 

・・・「価値」に照らして

部門を超えて考えるのだ。

 

 

 

それともただ、

顧客に嫌われないためにNoと言えない、

いい顔しておいたほうが楽だからか?

 

 

しかし、「価値」に照らせば、

これは本当の顧客満足ではなく、

顧客を甘やかしているだけとわかるはずだ。

 

 

顧客との、

共存共栄の道を探るのが本質の筈。

 

 

そのために顧客と対等の立ち位置で、

 

顧客の顧客 = 共通の顧客 の満足を追求していく道を探り、

協力体勢を組めるように現場で顧客と折衝していくのが

営業マンの仕事の一つなのだということ。

 

 

・・・ここにベクトルをそろえる必要がある。

 

 

全体最適を考えて、

営業の現場で、営業マン自身が顧客を説得する、

ということが製品品質を向上させ、

還ってお客様の満足(ミスロスの低減)につながるのだと。

 

 

この企業では、

営業マンの仕事はそのような顧客の啓蒙も含む、

という認識に改めるということがこの場合の改善方針であり、

 

常に顧客との強い人間関係、信頼関係を

営業マン自身がどのように構築するか。

 

・・・ここを業務改善の重要項目におく

マネジメントの変革が必要なのである。

 

 

 

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2016年06月29日
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