【第20話】業績が良い時に実行すべき「見えない差別化」

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「経営環境は厳しかったが、社員努力により、今期の目標数字は達成できた。

しかし、社員を見ると少し油断があるようで、今後の持続的な成長ができる保証はない。・・・ここに不安を感じているのです。」

 

先日相談に見えられた、ある経営者の本音です。

 

 

例えば、原材料の原価における構成比が高く、その価格次第で利益率を左右されてしまう業界であれば、原料の供給が減れば、すぐに価格は高騰し、利益率はいとも簡単に悪化する危険は常にあります。

 

このような、コントロール不可能な経営環境の変化は常に存在しますので、それよりも「コントロール可能なもの」に思考を集中することが大切です。

 

再現性のある、効果実証済みの施策を実施したり、経営環境の変化に弱い商品サービスから、経営環境の変化に強い商品サービスにシフトする。高収益の商品サービスを自社で開発する。・・・取り組むべきことは幾らでもあるでしょう。

 

しかし、このような、商品やサービスなどの「目に見えるもの」に対する差別化は、資金やかかる時間を考えると、今すぐできないこともあり、悩ましいところでもあります。

 

 

 

弊社では、こんな時、最優先で取り組むべきは、

「社員の考え方を変えていく取り組み」です、とお伝えしています。

 

 

たとえば、

トップダウンで社員を指示するマネジメントスタイルで経営を続けていると、指示された予算、言われたことをやることに意識が固定し、様々な環境変化に伴う問題発見も、問題解決も、自分たちで考えてすることのできない組織となってしまう傾向があります。

 

そうならないように、

・社員各自が先の先を考え抜き、問題を想定させる訓練

・問題の原因を分析し、優先順位をつけて対策を立てる訓練

これらを通じて、自分で知恵を出し考えることを習慣化するのです。

 

ロジックツリーなどの「型」を活用し、社内浸透させていくことで、習慣化しやすくなります。

 

 

・業績好調だからと油断しない、おごらない

単月予算にこだわる姿勢は当たり前ですが、さらに上のレベルを目指す流れを作ります。例えば、予算数値とは別に常に自分で着地予測をあげさせて、それを超えることにチャレンジする習慣づけをさせます。着地予測の達成率やその精度を社長や上司が見ている、というメッセージで意識させ、さらに上のレベルへの成長につなげます。

 

 

・経営者や、会社の理念・哲学を浸透させる

会社で仕事をすること、その目的、志、使命、貢献、心構え、といった、目に見えないものを浸透させることに時間を割き、会議やミーティングなどで経営者がメッセージを意識して伝えます。

 

社長が特に意識して行うと、その下の階層(役員や幹部)から次第に浸透していきます。

 

 

・・・このような取り組みを、「見えない差別化」と呼んでいます。

 

 

企業組織の本質、土台、基礎は、目には見えませんが、ここを強化することが、やがて必ずやってくる環境変化に耐えうる強い社員、組織を次第に形成していきます。

 

経営の現実は、「見えない差別化」が原因となり、目に見える結果を創り出していくのです。

 

 

 

  • 目に見えない差別化の本質。それは、社員の仕事に対する考え方です。

 

例えば、「予算さえ行けば評価される」、「プロセスを会社は見ていない」、だから「売れれば何でもいい」という社風や文化が根付いている企業では、追い風で業績好調になると、社員の油断やおごりが蔓延し、社内のモラールが低下します。

 

すると、今まで表面化しなかった不平不満からチームワークが乱れ、人組織の問題が起こります。

 

これは、「見えない差別化」に取り組んでこなかったツケがきた、とも言えるでしょう。

 

 

やはり、ここに手を打たなければ、

早晩、経済環境の変化や競合の打ち手によって市場から淘汰されてしまうのです。

 

競合は、ひょっとしたら「見えない差別化」にすでに取り組んでいるのかもしれないのですから。

 

 

 

 

  • リーダーの役割は、希望を与えること。

 

業績好調な時、経営を航海に例えると、順風でうまく進んでいる時は、

船長も、船員も、明るく楽しい雰囲気で、行動も活発なのは当たり前です。

 

しかし、一旦嵐になれば、社内のムードは緊迫し、不安から疑心暗鬼になったり、上手くいかない自信の低下から行動の萎縮が起きるでしょう。

 

この時、リーダーである船長が船員と同様に、萎縮し暗く沈んでいては、もうその船は助かりません。船は流され漂流するか、沈没するかでしょう。

 

船長は、嵐の時こそ、未来の希望を示し、明るく船員を鼓舞する役割を果たす必要があります。その背中を見て、船員が希望を見出し、結束力が高まり、希望に向けてのベクトルが揃っていくのです。

 

従って、順風時には、嵐に備えて社員を鍛える、仕事に対する考え方のベースとなる「自身の生き方・あり方」を深く考え、考え方の質を高め、自信を深めていく。将来のビジョンをお互いに話し合い、会社や仲間に対する信頼を強くしていく、という取り組みをすべきなのです。

 

次に嵐が来ても、絶対に乗り越えられるという自信=「希望」を与えるように、社内に仕組みを構築し、行動とメッセージで示すことに集中しましょう。

 

これがリーダーの役割となるのです。

 

 

 

 

 

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2016年02月01日
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