【第9話】人を育てる小さな仕組み

えんぴつ

 

人材育成というと、抽象的でとらえどころがなく、経営者や管理職の方はその定義が個人によってまちまちです。その為、総論は是としつつも各論では様々な現場の事情が出てくるもので、これが企業で人材育成がなかなか進まない一因となっています。

 

しかしながら、人材育成とは何か、といった定義はさておき、職場においての育成とは「今までできなかったことが出来るようになる」、といったことがその本質にはあり、少なくともその気持ちは上司も部下も個人個人に求められることは間違いありません。それをいかに後押しする仕組みを創るか、ということが大切だと思います。

 

その際、職場で求められているのは、いつも「小さな変化」です。

 

 

「吉野さん、何回言っても彼は難しいんです」

ある、ご支援先の管理職の方から先日こんな相談を受けました。

「何度も同じことを言っても、同じミスを繰り返す・・・彼はやる気がないんですよ」と話す彼も上司として育成をあきらめている様子。

 

「その都度言わないと、なおらない」と思って、忙しくても、言うべきことは言わないといけない、とばかりに使命感の強い上司は「自分視点」での指導に傾注しがちです。

 

しかし、部下本人の様子はどうかと聞くと、

「指導している最中も、心ここに在らず、といった様子で・・・」

 

しかし、上司も現場を預かる使命感から、注意をしなければならないと・・・この、繰り返しのようです。

 

業務中に、その都度指導をするということは、非常に効果があります。

ただし、それは組織の目的、その目的を達するための業務の価値、それに沿うチームの役割、個人の役割がはっきりと共有されている場合にかぎります。

 

この上司と部下の間には、このような目に見えない業務に対する「価値観のズレ」があります。

(部下は)「時間内に、作業を終わらなければ、皆に迷惑をかけ、上司に叱責を受ける」から、「時間内に、作業を終わらせること」を最優先とすることに価値を置いている。

 

(上司は)「時間内に作業を終わらせる。ただし、品質には絶対にミスがあってはならない」

「品質を優先し、時間内に作業を終わらせる」といったことに価値を置いている。

 

この差を、上司は認識しているか?

まず、本質的にこの差を埋めるために別に時間を取り、この価値観の溝をしっかりと埋めることに注力すべきなのです。

 

しかし、多くの上司は、日々の忙しさから、目に見える結果を見て指導をする傾向が強い。

目に見えない本人の価値観を見ることが出来ていない。そこと向き合えていない。

 

忙しいのはわかる。しかし、そのうえで、なぜ、品質を優先しなければならないか、時間と品質を両立させるためにどんな工夫ができるか、といった観点でお互いに意見交換し、本人の知恵を引き出すことが大切です。

 

まず、本人と組織の目的、業務の価値観、優先順位、チーム、個人の役割を筋を通して共有することをしっかりと行う。

 

これには別に時間を取ります。共感するまで根気強く話します。

ここから逃げてはいけません。また「共感したつもり」もいけません。

確認に、本人に価値観を「自分の言葉で話してもらう」ことも大切です。理解度の確認も行いましょう。

 

そのうえで、小さな「仕組み」を作ります。

 

例えば、このケースでは、本人の意見と知恵を引出し、課題を解決する「スキルアップのための目標」を設定し、週に一回、本人と上司とで確認をすることにしました。

・実行したか、しなかったか

・良くできたか、不十分だったか

この2項目を振り返り、お互いに意見交換するだけです。時間にして5分程度。1ヶ月で4回同じ課題に対して意見交換をすることが出来ます。

 

まず、上司と部下、チームや組織内での業務に対する価値観のずれを無くし、そのうえで問題に対しての対策を自分で考え、自分で決めて、自分で実行に移すことで、業務への責任感や主体性は高まります。

 

 

あなたの組織の、価値観はそろっていますか?

 

 

 

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2014年11月28日
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